三回目の治療に例のマンションに行ってきた
私が黒い服の女に、私は間違っていたのであり今となってはどうあっても認めざるを得ない、確かに女の子はいたのですと告げると、彼女は軽く笑った。暗い部屋の中であったが確かにそれは分かったのである。それは嘲笑なのかもしれない。いつまでも意固地になって真実たる女の子の存在から目をそらし続け、最終的にはその作業に敗れた私の愚かさをあざ笑ったのかもしれない。しかしながら仮にそうだとしてももはや致し方ないのだ。私はそれだけ稚拙な逃避をしてしまっていた。
それから黒い服のカウンセラーもどきは
「あなたはもう大丈夫でしょうきっと助かりますよ」
と言った。これにもあるいは侮蔑の意味が込められていたのかもしれないが私は気にしない。彼女の腕はある程度確かであり、それに逆らわず身を任せたほうが目的を達成する近道であることはもう思い知った。ただなすがままになるだけである。結果、本日の施術においてもいくつかの効果はあった。